大好きだよ。視線が僕に向かずとも、大好き。
放課後、授業が終わると同時にけたたましい音が左後方から鳴った。
もういまさらの事なので反応するものは教師を含めて皆無だった。
まあ岡部先生は一応気にかけてるようなので、溜息の一つはついていたけど。
さて、巻き込まれ体質の友人は、と。
よかった。今日はいた。
「キョン、今日は一緒じゃないの?」
「ああ、なんか企んでるらしくてな。」
やれやれという顔をする相手に、イヤミはない。
ホントに人がいいなあ。
あ、これは皮肉だよ。
「なんか人手がいりそうな事考えてるらしいから、また手借りるかもしれんが、できたら頼む。」
「はは、涼宮さん次は何考えてるのかな。」
「オレが知るかよ…。」
疲れてる顔してるなあ。
「じゃあ行くわ。」
「…うん、また明日。」
今日はこれで見送りかあ。
話せる時間短くなってきた気がするな。
「おーいキョン、もう行くのかよ?」
あ、谷口。
「あー。時間置くとハルヒがうるさいからな。」
「何だよ、最近話す時間減ってねーか?」
…あ、同じ事考えてたんだ。
ちょっとうらやましいよ。思ってることすぐ口に出せて。
谷口のそーゆーとこ、キョンも結構気に入ってるんだよね実は。
…あ、ちょっとムカついた。
「ああ、悪いな。今度国木田と3人と遊び行こうぜ。」
…。
「お、マジか?」
「えらくマジだ。」
「おーし、約束だぞ。国木田も聞いたよな?!」
「…うん。楽しみにしてるよ、キョン。」
やばい。不覚にも泣きそうかも。
前言撤回。
えらい谷口。うん。
「じゃな。」
あーもう、うれしいな。
友達視線でもなんでもいい。
なんて。
重症だけど仕方ないよね。
end
このお題の口調だと国木田くんしか思い浮かびませんでした;
もうちょっと黒いイメージがありますがこのときはこんな感じで(笑
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